【覚書】 興味のあるカテゴリを選択して下さい。

カテゴリー表示モード:標準 | RC2

覚書 カテゴリーアーカイブ

「恐怖の記憶」消す仕組み

長い間ストレスを感じ続けると、いつしかそれを感じなくなる。

いつもいつも長時間勤務で、睡眠時間もろくに取れずに働いている人は、はじめのうちは毎日、へとへとに疲れた感じを持って家に帰ります。

それが何日も、何週間も、何ヶ月も続くと、その状態が当たり前になってきて、もはや疲れを自覚することがだんだんと減ってくるということです。
相変わらず忙しいのに、それほど辛くない。

身体が慣れて順応しているということもあるでしょうが、実は、脳がそんな状態を作り上げているのだという説もあります。

つまり、「疲れ」を感じ続けていると、辛くて苦しくてやってられないから、もう感じなくていいように、脳が「疲れ」の感覚をシャットダウンしてしまうのです。

人間が生き残るための知恵なのでしょう。

だから、過労死する人などは、最後まで、まだまだ自分は働けると思っているものなのでしょうね。

それが、ふと、気が緩んだときに、自分の身体の感覚が戻ってきて、
「疲れた」
「苦しい」
などと周囲に訴えたりするのです。
いつも睡眠不足の人が、休日に、長時間眠った後、なんとなく身体が重くてだるい感じがするのも、同じ原理のようです。

普段、睡眠不足であるという感覚を抑え込んでいる(そうでないとやっていられないから)のですが、たまによく眠ると、本来感じていたはずの身体感覚が戻ってきて、疲れを自覚したりするのでしょう。

虐待を受け続けているこどもは、いろいろなことを感じると辛いから心を閉ざす……
いきなり大きなストレスを受けると、一気に感情がこみ上げるかというと、そうでもなくて、頭が真っ白になることもありますね。

あまりにもストレスが大きければ、その記憶自体を忘れてしまっているということもよくあります。
これが原因不明のトラウマというものでしょうか。

今日、興味深い記事が出ていました。

 
「恐怖の記憶」消す仕組み解明…PTSD治療にも
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20091113-OYT1T00035.htm

脳が短期の記憶をとどめる部分では、神経細胞を次々に作り出すことで、恐怖などの記憶を消し去っていることを、富山大学の井ノ口馨教授らが動物実験で突き止めた。

心的外傷後ストレス障害(PTSD)などの治療につながる成果だ。
13日発行の米科学誌「セル」に発表する。

記憶は、脳の「海馬」と呼ばれる部分に保存された後、整理され、マウスは1か月、人間は半年~3年で大脳皮質へ移り、長期の記憶になるとわかっているが、詳しい仕組みは不明だった。

井ノ口教授らは、海馬で神経細胞の新生が盛んなマウスと、そうでないマウスを実験に用い、恐怖を感じる程度の電気ショックを加え、記憶を調べた。
その結果、細胞新生が少ないと恐怖の記憶が海馬にとどまり、細胞新生が盛んだと、移りやすいことがわかった。

恐怖などの記憶がいつまでも海馬にとどまっていると、何かにつけて思い出しやすく、PTSDの症状が長引くと考えられる。

井ノ口教授は「海馬の神経新生を活発にする薬剤を開発すればPTSDの治療に役立つ」と話している。  
(2009年11月13日08時07分  読売新聞)より引用