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twitter小説と足穂

twitterの140字以内で小説を書く参考にしようと、稲垣足穂の本を取り出してみる。
久しぶりに読んでみると、面白いね。

足穂って大正から昭和初期の作家でしょ。
『一千一秒物語』が刊行されたのが1923年だから大正12年。
何だろ、この新らしさは。
新しいというよりモダンな感じだね。

140字前後のものを書き出してみると、

【或る夜倉庫の陰で聞いた話】
「お月さんが出てるね」
「何! 安物ですよ あいつはブリキ製ですよ」
「ブリキ製だって?」
「ええ何うせニッケルメッキですよ」
(僕が聞いたのはこれだけ)

【或る晩の出来事】
或る晩
月の影さすリンデンの並木道を口笛吹いて通って行くとエイッ! ビュン! と大へんな力で投げ飛ばされた! それだけだった 話はね

【黒猫の尾を切った話】
黒猫をつかまえて ハサミで尾を切ると パチン! と黄いろい煙になってしまった その刹那 頭の上でキャッ! と云う声がしたので 窓を開けると 尾を切られたホーキ星が逃げて行くのが見えた

【赤鉛筆の由来】
昨夜 自分は夢に 赤いホーキ星が 煙突や屋根をかすめて通って来て 物乾場の竹竿にひっかかって落ちたのを見た
ところで 朝起きて験べてみると この赤いコッピーエンピツが落ちていたのである

               一千一秒物語より(『一千一秒物語』 稲垣足穂著 人間と歴史社刊)

【へんなオモチャをもらった話】
ニス引きの板片に根元ネジのついたU型の針金がありS型の釘にひっかけてある そこへチーズのかけらをのせて晴れた晩屋根の上へ出しておくのだと云うからそのとおりにしてみた 二十分もたたぬうち頭の上でパチンと音がした 屋根へあがってみるとキラキラした五つの角があるネズミがかかっていた

                第三半球物語より(『一千一秒物語』 同上)

 
宇宙や星や月がたびたび登場する世界。
もっと長いものもあるけれど、こんな小さな世界がずらずらと並んでいる。

足穂の小宇宙ですね。
私も、自分の小宇宙を書いていきたい。

じっくり読み返してみます。

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